リクルートスーツ

4月某日、春は出会いと別れの季節であり、そして学生たちが卒業して社会という野に放たれる時期でもある。週の始まりの月曜日と入社式(あれば)とエイプリル・フールが見事に重なった今日、通勤する電車もいくばくかいつもより混んでいて、黒っぽいリクルートスーツ姿のキラキラした新社会人の姿が其処彼処に見られる。リクルートスーツなんて最初のうちだけで、徐々に個性が出てくるんだろうなぁと毎年微笑ましく見ている。そう考えると、リクルートスーツの何と勿体ないことか。

四半世紀近く前、体育会として4年間過ごした後に勤労学生として昼間は証券会社のバックオフィスで働きつつ夜学に通いながら何とか大学を卒業した僕は、そのままそこに正社員として入ったために大学生としての就活という経験が無い。今の会社に転職した際に少しだけ就職(転職)活動をしたけれど、結構すぐに決まったし、そもそもリクルートスーツなんか着ないで当時普段から着ていたネイビーかチャコールのスーツだったから、わざわざ面接のためにザ・リクルートスーツを買ったことが無い。

真っ黒のリクルートスーツなんて文化は集団就職の名残りみたいだから無くなれば良いのに、と思いつつ、まぁしばらくは礼服代わりに冠婚葬祭で使えない事もないのかと思い至りながら、新社会人たちが今のところ着ているスーツの行く末に思いを馳せるのであった。

そういえば一気に暖かくなったから衣替えした。クリーニング屋さんに行かねば。


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