4月某日、歌野晶午『ずっとあなたが好きでした』を読み終える。舞台も主人公のプロフィールも様々な10数編の短編からなる本作、読み進めているうちに少しずつ違和感を感じていき、最後から二つ目で全て回収されつつラスト一編へと続く構成。途中で「おそらくこういう仕掛けではないか」と想像できつつも、一つ一つの設定が凝っていて中々面白く読み進めることができた。主人公にシンパシーは感じないし感じてはいけないお話なのだが、とにかく「しょーがねえ奴だな」と苦笑せざるを得ない。
某公共放送の朝ドラや大河ドラマの視聴を完走したような読後感なのだけれども、いや絶対映像化しない(破綻するのでキャスティングできない)だろうなぁという、懲りない男(たち)の物語だった。
オチが分かった上で、もう一度、今度は各短編の順序を変えて読んでみるのが面白いだろうね。
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