「村岡新駅(仮称)」と深沢地区の開発にお金がかかる

1月某日、神奈川県と藤沢・鎌倉両市、JR東日本の4者がいよいよ「村岡新駅(仮称)」の本格的な工事に着手したらしい。地元の人や利害関係者以外は「村岡新駅」って何ソレ、という方が多いと思うのですが、JR東日本管内の東海道線の駅としては熱海駅以来100年ぶりの新駅開業という、なかなかインパクトのある話題。大船駅と藤沢駅の間(やや藤沢寄り)にその昔貨物駅があって、地元の人ならわかる(地元の人しか知らない)TSUTAYAがある辺りなのですが、そこに新しい駅作っちゃいますよ、ついでに駅周辺の再開発もやりますよ、というプロジェクトです。

住所としては藤沢市なので、鎌倉市は関係ないだろ、と思うのですが、ちょうど市の境にあたるエリアで、柏尾川を挟んだ対岸の鎌倉市側は「旧国鉄清算事業団用地およびJR鎌倉総合車両センター跡地」という長ったらしい名称の、早い話が「広大な空き地」が広がってます。もったいないから一部を「みんなの鳩サブレースタジアム」というサッカーをはじめとしたスポーツ全般で使える人工芝のグラウンドを暫定で営業していたくらい(昨年11月24日に営業終了)。

鎌倉市ときたら、市役所本庁舎や消防本部・消防署をこの深沢空き地エリアに移転させ、さらにはスポーツ施設、商業施設、都市型住宅等を整備するビッグな計画をしていて、どさくさ紛れに近接駅ではあるもののあくまで隣の市にできる新駅の費用まで予算として計上している感じ。具体的には、新駅にかかる費用が総工費159億円と見積もられていて、県が30%、JR東日本が15%を負担し、残りの27.5%ずつを鎌倉、藤沢の両市が負担するらしいので、鎌倉市は隣の市の駅のために約44億円も拠出することになるようで、そりゃ一部を除いて市民の理解を余り得られそうにないような案件ではなかろうか。例によって予算の見積りも甘いかも知れないし。

また、昨年末の東洋経済の配信記事で詳しく取り上げられているが、この新駅設置で誰が一番得をするかというと、近くにある「湘南アイパーク」に絡んでいる武田薬品や三菱商事なわけで、「企業に儲けさせるために市の予算を投入するのはおかしい」となるのです。そりゃそうだ。メリットを享受するのであれば対価を支払え、とトランプも言うでしょうね。

ついでに、鎌倉市役所を新駅が出来たとてそれほど利便性が良いとは言えない深沢に移転するのも莫大な費用がかかる上に、移転すべき根拠もいまいちで、移転推進・反対で真っ二つに分かれていて計画がちっとも前に進んでいない状況のようです。僕は今のところ市長の説明が不足しており、まだまだ納得感が無いので移転の必要ないのでは?という意見。ちなみに村岡新駅ができた場合、僕個人が享受できる利点としては、うーん、そうだなぁ、大船よりも少し自宅に近いので、横須賀線が運休したり鎌倉までの終電を逃したり、もしくは大船乗り換えせずに乗り過ごした時などに少しだけ帰路が楽になるくらいでしょうか。

なんだか「見切り発車」で新駅の着工を開始した予感がしないでもない。

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