森博嗣「四季」4部作読了

「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」に続けて、天才科学者・真賀田四季の視点から主に描かれる4部作を読み終えました。中盤ではこれまでのシリーズの伏線や同じエピソードでも主体が変わるとまた違った印象になるところが面白い。6歳において数学と物理をマスターし超一流のエンジニアになり、13歳においてはプリンストン大学でマスタの称号を得つつ、MITで博士号も取得するほどの知性とはもはや想像を超えている。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考する能力ってどんな感じなのだろう。真賀田博士の脳内処理の描写が現実を離れて精神世界に突入するかのように表現されているので、憧れ以上に恐怖、畏怖を感じる印象として、ぼくの中にもずっとこのまま残り続けるだろう。果たして四季は生きているのか、すでにこの世に存在しないのかという論点ではなく、確かに彼女が存在し、様々な命題に対してどのような答えを彼女は出したのか、という点が読者の解釈に委ねられるようで、非常に読み応えのある作品と言えるでしょう。

もう少し、著者の作品を読み進めようと思います。次は「Gシリーズ」へ突入。

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