Brico は器用仕事とも訳されるフランス語の Bricolage から名付けました。
「いつか何かの(誰かの)役に立つ」モノを寄せ集めてカタチにすれば、まだ気づかない新しい価値を見出せるかも知れない。
ありあわせの材料とアイデアで暮らしを豊かにする事を目指して。
Brico は器用仕事とも訳されるフランス語の Bricolage から名付けました。
「いつか何かの(誰かの)役に立つ」モノを寄せ集めてカタチにすれば、まだ気づかない新しい価値を見出せるかも知れない。
ありあわせの材料とアイデアで暮らしを豊かにする事を目指して。
1月某日、森博嗣の「百年シリーズ」全3作を読了する。2作目までは主人公のサエバ・ミチルと相棒のウォーカロン(自律型ヒューマノイド)のロイディによる冒険譚で、100年後の近未来設定のSFかつファンタジー要素が強い物語。
ミステリーとして考察をしながら読み進める要素はあるけれど、事件の真相を追求するという表面的な内容よりも、死生観や人間とは何か「我思う、故に我在り」(仏: Je pense, donc je suis)という哲学的なテーマにも重きをおいて全編を通し描かれているような印象。しかし、あくまで冒険譚という形をとっているので、物語として読みやすくNHK-FMでラジオドラマ化もされたようだ。
問題はシリーズ最終作となる3作目。前作までのキャラクターは主人公を含めて登場せず(少なくとも表面的には)、登場人物の視点がどんどん時空をも超えて切り替わっていくスタイルで、一見すると「何を読まされているのか」分からなくなる。森曰く、幻想小説のつもりで書いた作品とのことだが、作者の壮大な思考実験に付き合いながららトレースし同化していく、いわば読者が「ついてこれるかな」と試される1冊になっている。シリーズとして成り立っているのかどうか、については、作者が伝えたい「モチーフ」としての統一感はあるかも、と、ぎりぎりぼくの思考能力でも何とか思えるので、これが一つのまとまったシリーズであると規定されればそうなのだろう、という感じ。いやいや、ほんと難解。
今自分が生きていると感じている「現実」は果たして本当に現実なのか、そこに疑うべき点は一つもないのだろうか、という問いを究極的には読者に突き付けているような感じがする。作中で描かれている設定が「物語としての作者の幻想」ではなく「真実・真理」だと誰かに提示された場合、「絶対にありえない」と100%否定しうる論理的思考能力をぼくは持ち合わせていない。
1月某日、朝の通勤電車内で座席に座りながらうとうとと微睡んでいると、横浜あたりだろうか、1組3名様のご婦人ご一行が僕の前に並び、お話を始める。会話のそこかしこから推察するに、どうやら百貨店勤務の同僚同士のようで、おそらく今日に限って別の店舗へ向かうようだ。
ぼくは気持ちよくうたた寝をしていたので導入部分は聞き逃してしまったのだが、今はとにかく “広瀬すずが大好きで、将来絶対美魔女になるに違いない” という熱のこもった解説を婦人A(たぶん関西ご出身)がしている最中。
婦人A「最近ほんとすずちゃん良いのよ。ドラマ観た?」
婦人B「観た観た。どうしてあんなにお人形さんのようなのかしらねぇ」
婦人C「ほんとねぇ」
婦人A「昔からはっとするような美人だったけれど、このまま絶対に美魔女まっしぐらよぅ。美魔女と言えば深田恭子ちゃんもほんと若い頃から変わらず綺麗よねぇ。ほんと惚れ惚れしちゃう」
婦人B「深キョンも綺麗なままよねぇ」
婦人C「ほんとねぇ」
婦人A「一日だけその人になれるとしたら誰になりたい?」
婦人B「一日だけか。綺麗な女優さんになれるのならば誰が良いかしらねぇ」
婦人A「やっぱり健康的なセクシーさって言うの?そういうタイプに憧れるわよ。誰だっけ、ちょっと名前ど忘れしちゃったけれど最近は時代劇に出てたりする女優さん」
婦人C「由美かおるとか?」
婦人A「ちょっとぉ。古すぎるわぁ。いつの時代やねんっちゅうツッコミ入れるわぁ」
婦人C「わざとボケたのよぅ。ふふふ」
婦人B「えー?誰だろう?」
婦人A「そうそう、中井貴一のドラマにも出ていたわねぇ。名前何だっけ、こういうのほんと出てこなくなるわよねぇ。嫌やわぁ」
婦人B「そうそう、私は内山理名みたいな感じも良いわよ。彼女も健康的じゃない?」
婦人A「内山理名って誰だっけ?あぁ、吉田栄作と結婚した子よね。はいはい」
婦人C「吉田栄作も若い頃からちっとも変わらないわよね。」
という具合に、その後も吉田栄作前夫人の顔がボトックスでどうしたこうした・・・と、どんどん転調しながら続いていく。
朝の通勤電車内なので他に会話をしている人もおらず、付近半径5m以内の他の乗客の皆さんも含めて「最近は時代劇にも出てる健康的なセクシーさが引き立つ女優」って結局誰だろうと各自考察をしていたに違いない。もはや眠気は忘れ、さっきまでご婦人方ご一行(主に婦人A)が必死に思い出そうとしてた女優さんの名前を、親切心から僕も考えるようになった。芸能関連についてあまり詳しくないけれど。
やがて乗り換え駅に着き、やむを得ず席を立ったのだが、もっと早くに席を譲って話を分断する環境(一人着席させる)にすれば良かったかも知れぬ。「こういうのほんと出てこなくなるわよねぇ」で諦めてしまったご婦人たちの思考を引き継ぐ形で、今日一日「誰だろう?」と思いを巡らすことになるのだろうか?そんな命題を半径5mにいる人たちに投げかけたまま、既にまったく別の話題で盛り上がっているご婦人ご一行を背に、それぞれの仕事へと向かうのだった。
せめてその場でスマホ等で調べて答えを導き出してほしかったなぁ。結局誰なんでしょ?
1月某日、神奈川県と藤沢・鎌倉両市、JR東日本の4者がいよいよ「村岡新駅(仮称)」の本格的な工事に着手したらしい。地元の人や利害関係者以外は「村岡新駅」って何ソレ、という方が多いと思うのですが、JR東日本管内の東海道線の駅としては熱海駅以来100年ぶりの新駅開業という、なかなかインパクトのある話題。大船駅と藤沢駅の間(やや藤沢寄り)にその昔貨物駅があって、地元の人ならわかる(地元の人しか知らない)TSUTAYAがある辺りなのですが、そこに新しい駅作っちゃいますよ、ついでに駅周辺の再開発もやりますよ、というプロジェクトです。
住所としては藤沢市なので、鎌倉市は関係ないだろ、と思うのですが、ちょうど市の境にあたるエリアで、柏尾川を挟んだ対岸の鎌倉市側は「旧国鉄清算事業団用地およびJR鎌倉総合車両センター跡地」という長ったらしい名称の、早い話が「広大な空き地」が広がってます。もったいないから一部を「みんなの鳩サブレースタジアム」というサッカーをはじめとしたスポーツ全般で使える人工芝のグラウンドを暫定で営業していたくらい(昨年11月24日に営業終了)。
鎌倉市ときたら、市役所本庁舎や消防本部・消防署をこの深沢空き地エリアに移転させ、さらにはスポーツ施設、商業施設、都市型住宅等を整備するビッグな計画をしていて、どさくさ紛れに近接駅ではあるもののあくまで隣の市にできる新駅の費用まで予算として計上している感じ。具体的には、新駅にかかる費用が総工費159億円と見積もられていて、県が30%、JR東日本が15%を負担し、残りの27.5%ずつを鎌倉、藤沢の両市が負担するらしいので、鎌倉市は隣の市の駅のために約44億円も拠出することになるようで、そりゃ一部を除いて市民の理解を余り得られそうにないような案件ではなかろうか。例によって予算の見積りも甘いかも知れないし。
また、昨年末の東洋経済の配信記事で詳しく取り上げられているが、この新駅設置で誰が一番得をするかというと、近くにある「湘南アイパーク」に絡んでいる武田薬品や三菱商事なわけで、「企業に儲けさせるために市の予算を投入するのはおかしい」となるのです。そりゃそうだ。メリットを享受するのであれば対価を支払え、とトランプも言うでしょうね。
ついでに、鎌倉市役所を新駅が出来たとてそれほど利便性が良いとは言えない深沢に移転するのも莫大な費用がかかる上に、移転すべき根拠もいまいちで、移転推進・反対で真っ二つに分かれていて計画がちっとも前に進んでいない状況のようです。僕は今のところ市長の説明が不足しており、まだまだ納得感が無いので移転の必要ないのでは?という意見。ちなみに村岡新駅ができた場合、僕個人が享受できる利点としては、うーん、そうだなぁ、大船よりも少し自宅に近いので、横須賀線が運休したり鎌倉までの終電を逃したり、もしくは大船乗り換えせずに乗り過ごした時などに少しだけ帰路が楽になるくらいでしょうか。
なんだか「見切り発車」で新駅の着工を開始した予感がしないでもない。
1月某日、あと1週間強でキャンプインする俺たちの阪神タイガースは、藤川球児新監督の元スタッフ会議を行い、沖縄キャンプのメンバー振り分けを決めたそう。
今年のはじめに球児が語っていた2025年シーズンのオーダー構想は、1番・近本、3番・佐藤輝、4番・森下、5番・大山という布陣のようだ。順当に行けば、リードオフマンの近本に続く2番には中野が入るだろうし、クリーンアップの後ろの6番には成長著しい前川と井上あたりを左右で競わせ、7番に捕手、そして岡田前監督が確立した「上位へのつなぎ役」としての8番に木浪と小幡を競わせる感じになるのではないか、と。メンバーとしては日本一になった2023年、前評判を(案の定)覆してシーズン2位に終わった2024年からの流れとして大きく変わるものではなさそうだ。いや、変わっていない。
つまり、仮に前川がスタメンであればかなりの左バッター偏重打線になると言ってよい。捕手と投手を除いた「打って点を取るメンツ」という視点では森下と大山だけが右バッターとなり、主力を担う彼ら二人を打線のどこに配置するかが今シーズンもポイントになってくると思うのです。
タイガースは浜風の吹く甲子園球場がホームなのに「ちょっとバッティングが良い左バッター大好き」というドラフト戦略があったのか、伝統的に右バッターを育てることができないのか。現役当時の岡田以降、八木や新庄、今岡あたりが「そこそこ強打の右バッター」として一時代を築いた(ただし、チームはとにかく弱かった。いや今岡の覚醒後に優勝したか)けど、それ以降って金本元監督が大山を指名するまで打線の核となりそうな「生え抜きの」右バッターが待てど暮らせど出てこない、あるいは長続きしない。一瞬ブレイクした濱中も結局けがに泣かされたしなぁ。やっぱり育てられない、育たないという何らかの原因があったのかもしれないですね(コーチ陣が左打ちしか教えられないとか)。そもそも世代としてイチロー・スズキやヒデキ・マツイ以降、右投げ左打ちに憧れて練習する少年たちが増えたということもあるのでしょう、きっと(個人の感想であり根拠はない)。
さて現実に話を戻し、佐藤輝を3番(機能するかどうかは別として)にした場合、1~3番まで左が続くことになる。左右ジグザグがオーソドックスな考え方とするのであれば、セオリーを外した(攻めた)構想になると思う。もしかして2番に中野ではなくて右バッター入れることも想定しているのか、球児よ?そういえば中野については特に言及していないような・・・。
森下は基本的には中距離打者だと思っている。昨秋のプレミア12では日本代表(NPB選抜チーム)として、開催時期の悪さ(プレミア12がいまいち盛り上がらない大きな要因)のために4番打者を用意できなかったチーム事情から、恐らく消去法で4番を任されるも、結構良い活躍が出来て相当に株を上げた印象。タイガースというチームの中でも彼が打てばチーム全体の士気が上がるムードメーカー的なキャラクターだけれど、4番適正があるのか未だ分からない。今のタイガースで3割を打てる可能性がある数少ない選手だとは思うよ。だけど、どっしりと4番に据わるよりも3番打者タイプじゃないかな。本人は3割30本100打点を目標にしているようで、もちろん是非ともお願いしたいところではあるものの、3割と100打点をクリアで十分であり、しっかりとバットが振れるのが魅力的な選手だからこそ、本塁打を狙いだすとスイングが大きくなってとたんに調子を崩したり(ありがち)しそうで怖い。
したがって、個人的には3番・森下、4番・佐藤輝、5番・大山の方が右→左→右でしっくりくるのだけれど、これだと昨季までと代り映えなく、何度も試して結果が出ていないのか。おそらく、藤川球児新監督の「投手目線」として3番・佐藤輝、4番・森下、5番・大山という並びの方が嫌だ、という考え方なのだろう。
あれ?もしかしたら僕は4番・森下を懸念しているのではなく、3番・佐藤輝という構想に対して例年通り過度の期待と一抹の不安を覚えているのかも。
1月某日、昨年あたりからちらほらと話題になっていた鎌倉の「新漁港」整備に市が着手するニュースが改めて配信される。
漁具の倉庫や作業スペース、船揚場などを整えつつ、規模は最小限に留める「漁業支援施設」という位置づけらしい。場所は由比ヶ浜東端の坂ノ下地区にある鎌倉海浜公園の海側あたり。坂ノ下や材木座の漁業従事者は船を留置する港や桟橋が無く、漁に出るたびに砂浜から海へ台車を使って船を出している。もちろん漁から帰ってきたときは逆の手順で砂浜へ船を片付けていて、インサイドで掘れた波が炸裂する時などは危ないだろうなと思っていた。さらに波打ち際で遊ぶ海水浴客やサーファーとの接触リスクもあるだろうし。
2031年度の完成を見込んでいるようで、漁業従事者の70年来の悲願でもあるようだし、鎌倉の水産業がさらに発展すると良いなと思っています。
ただ1点懸念しているのは、湾の中に防波堤と施設を建設することにより、潮の流れが大きく変わって今よりもさらにビーチの砂が無くなってしまうこと、か。聞くところによると、稲村ケ崎や七里ヶ浜などでは昔はもっと砂が多くて、夏の間は海水浴場として海の家が立つほどだったのに、どんどん浸食されて今のようにほとんど砂浜が無いような状態になってしまったらしい。由比ヶ浜の「浜」が将来にわたって持続できるような計画だと良いなぁと思う次第です。
個人的なわがままを追加するならば、坂ノ下はうねりが入ればとても楽しいエリアなので、サーフィン可能な環境としても持続してほしいな、と。
1月某日、海はとても穏やかで、遊びに来ている人もまばら。人がいないとゴミも少なく、寄せては返す波を見ているだけで気持ちが良い。
ぼくは賑やかな夏の海よりも、こうした静かで穏やかな冬の海の方が好きかもしれない。肌には突き刺すような冷たい風があたるけれど、いつでも家の近く、すぐにアクセスできるところに海があるだけで幸せな気分になる。このロケーションを手に入れたい一心で都内から鎌倉へ移住してきたようなものだ。太平洋側で南岸低気圧がひとたび通過すると、位置とタイミングがよければ綺麗なうねりが入ってサーフィン日和になるのだけれど、そんな日は冬の間に何度もあるわけではなく、だいたいが風も入ってザバザバな感じになってしまう。それでも夏の強烈なオンショアに比べたらそこまできつくなることは余り無いような気がするので、天気が良ければ概ね穏やかなのんびりとした海を見られる日が続くことが多いと思う。波が無さ過ぎてサーフィンできないことも多いけどね。
次の週末、波が無かったら久しぶりにSUPで出航しようかな。寒さで風邪をひかない程度であればきっと楽しい。
1月某日、朝からカツカレーが食べたい気持ちが湧き上がり、お昼ご飯に食べることを決意する。Ainoのお散歩をしっかりと済ませて、さてカツカレーをどこで食べるかと思案しながら出かける準備をして、石川町にとんかつ檍のかつカレー専門店【いっぺこっぺ】があるのを思い出す。とんかつ檍(あおき)と言えば、これまで食べたとんかつの中でも上位にくる好きなお店で、いっぺこっぺに実はまだ行ったことが無かったため、大船から根岸線に乗っていざ石川町へ。
石川町の元町口を出てすぐ左にあるお店に開店直後に並ばず入店できて、「特ロースかつカレー」をオーダー。たぶん「特」以上だとかつが大きくなるからカレーと別皿になるシステムのようだ。
とんかつも好きならカレーも好きなので、カツカレーというコンボには打つ手なし、今朝からずっと思い焦がれていた望みがかない、満足しかないランチになる。ちゃんと檍同様にヒマラヤ岩塩もテーブルに備えてあって、塩で食べて良し、カレーと一緒に食べても良し。横浜元町店は檍直営ではなくフランチャイズ店のようだけど、とんかつもしっかり脂の甘味があって十分に美味しい。カレーは主張し過ぎないシンプルなもので、子供も含めて万人受けするタイプ。辛くしたければスパイス追加注文もできるみたい。わざわざ電車賃を払って訪れる価値があったと思う。
カツカレーって最高だ。