日: 2010年2月7日

  • どこまでが自分の土地なのか?

    2月某日、長谷の土地をちゃんと手に入れるには、分筆が終わらないことには始まりません。そもそも「分筆」というのは一つの(正式には一筆の)土地をいくつかの土地に法的に分割することです。なんでそんな回りくどいことをするかというと、例えば以下のケースがあると思います。

    大きな土地を持っている人がいて、その人が土地を売りたくなった。しかし、土地面積が大きいということはそれだけ価格も高くなるので、お金持ちしか手が出せない物件になってしまう。そこで土地をいくつかに区切り、一つあたりの価格を安くして売ろう(つまり切り売り)。

    ちなみに、今回標準的なサラリーで生活している僕らが土地を取得できそうだという話になったのも、このように分筆された(切り売りで安くなった)土地だったからともいえます。

    よくよく調べてみると、きちんと登記されるまでは正式に分筆されたことにはならないということです。

    「ここからここまでは私の土地です」と主張するためには、土地の形が正確に計測されていることと、それを元に正確な図面が整備されていることが前提になります。自分がどこからどこまでの土地を所有しているのかを明確にして、境界紛争などが起こってしまうのを未然に防がないといけません。今回のように分筆登記をする場合は、原則として分筆後の土地の全て(自分のところだけではなく)について地積(土地の面積)の求積方法、筆界点間の距離、筆界点の座標値を明らかにしなければいけないらしいです。

    ちなみに以前は分筆する土地だけ地積の求積を行い、残りの土地については、便宜上、元々の登記簿に記載してある面積から分筆する土地の面積を差し引いて登記申請することができたようです。しかし現在は「全ての土地の地積を求めなければならない」ので、もし分筆前の地積と分筆後の地積に整合性がとれない場合は、「地積の更正の登記」の申請をしてからでなければ分筆登記をすることができなくなったようです。つまり元々の登記簿(全体)に記載されている数値に不備があった場合、分筆を繰り返すとそれだけ誤差が大きくなり、全体として地図や測量図等がどんどん不正確になる可能性があるから、分筆した結果数値が合わなかった場合は、まず全体を今一度求めてから割ってくださいよということですね。

    また、分筆のために測量する際は、隣接者と境界の立会い確認を行い地積測量をするということです。そして、境界標がない点や新たに分割する線には杭や金属標などの永久的な境界標を設置しなければなりません。いろいろと手順を踏んではじめて境界がはっきりするのですね。

    とりあえず僕たちの現状といえば、正式な測量がやっとこさ終わったところのようです。奥側に背負う斜面部分の所有者が法人らしいのですが、残されているのはそことの境界を示す書類に印をいただくということらしい。ということは、あともう少しで境界が法的に決定するという立ち位置だと思われます。分筆まであと少し。なんだか土地を手に入れるって大変な作業のようです。

  • 土地の分筆完了に時間がかかり、決済・引き渡しが遅れる

    2月某日、不動産担当のHさんより電話があり、土地部分の決済・引き渡しをどうやら遅らせなければならないようです。予定では2月18日に土地部分の決済が完了して、めでたく長谷の土地を取得するはずでした。しかし、土地の分筆を正式に完了するのが遅れており、1週間から10日ほど先延ばしにせざるを得ない模様。なんだか悶々とした日々を過ごしそうです。

    もちろんこの期間、建物設計の打ち合わせは余り影響なくどんどん進められます。「余り影響なく」というのはどういうことかというと、分筆が正式に終わっていない=土地の境界線が確実に決定しているわけではないので、建物を建てられる部分の境界も正式には決まらないのです。なるべく大きな建物を建てようと、めいいっぱい敷地を使って設計している場合、仮に想定よりも境界が削られたら今までのプランを変更しなければならない恐れが出てきてしまいます。ただし、僕らのコンセプトが(予算の都合もあり)「小さくて気持ちの良い家」、つまり最初からめいいっぱい建てることを想定していないので、設計はほぼ順調に進められるようです。

    でも心配なのは、銀行の融資実行が延期になること。当然のことながら、銀行から融資を受けるには不動産登記簿謄本や不動産売買契約書、重要事項説明書、建物平面図云々といった物件を確認する為の資料が必要になります。しかし分筆が完了していない現在、各書類に書かれている土地の境界線や土地面積の数値はまだ公式に認められていない状態ということになります(たぶんね)。つまり、銀行絡みの現状は「土地の境界決定が遅れている」ので、「融資実行・決済・土地部分引き渡しが遅れる」ということになっていると思われ。

    ということはだ、2月の金利でローンを始めるはずだったのが3月にずれ込む可能性もあるということでしょうか(今のところよく分かっていない)。仮にこれからハイパーインフレが起き、3月の金利が高騰したらどうしよう?