3月某日、今日は我が社の代表取締役会長、つまりオーナーが遠路はるばる上京しあそばれるという事で、某老舗フレンチレストランもしくは洋食屋さんとカテゴライズされるであろうオーナーが懇意にしているお店で会社の若手スタッフを連れてディナーフルコース。後期高齢者とは思えぬオーナーのバイタリティに当社スタッフ一同圧倒される。
若手の彼らが少しでもこの老オーナーのあるようでないような、いや実は隠されているであろう含蓄の中に何かを見出すことがあれば儲け物である。オーナーも意図していない若手との遭遇に一瞬ひるむ様子を見せるも、歳の差半世紀以上のジェネレーションギャップをものの見事に逆手にとるような、昭和の語り部を自ら担う一席に、一同中々の満足感があるひと時となった。
何より好ましいのは、オーナーにクソジジイ感があまりない事だと思う。とは言え、まぁ尊敬するか憎悪の対象になるかの瀬戸際ではあろうユニークなキャラクターの爺さんではある。
ちょっともう山手線を経由して鎌倉へ帰るのが億劫なので、代官山駅から横浜へ向かう。汗が止まらん。昔から汗っかきなので、一旦汗がタラリとしようものなら、環境が変わらない限り延々と汗が出続けるのだ。今夜は横浜まで右頬から左頬まで首筋に沿って半月状に湧き水が出て、それと共存しながら帰路に着くのだ。あぁ汗が止まらん。耳の後ろとかびしょびしょだけど大丈夫かな。
オーナーも当社の社長もなかなか頑固で偏屈なところがあり(僕に言われたくはないだろうけど)、最近は友好的にコミュニケーションが取れる場面が多いものの、そもそも僕自身の性根が悪いのか、現場のトップなのにも関わらず上長もスタッフも何一つ信頼できない状況が続いていて、メンタル不調を心配されるのだが、実はそこまで真面目な人間でもなく何となく管理職を演じているだけなんだ。で、たぶんそれが原因での心の病にも罹患しえないだろう。
この経営陣が本当に好きじゃなかった。でも今はどこから目線だというご指摘には完全無視を貫きつつ、仕方ないから百歩譲って付き合ってやるという立ち位置に自らを置くケースが多くなってきたと思う。これが大人になるという事なのであればそうだろうし、言い換えればそれは体制に迎合しているとの誹りをうけるのかも知れない。
幸いなことに、結構な頻度でそこそこ優秀な人材かと周囲に勘違いされるのだが、それは俺って中々出来るだろうという自分を一生懸命演出しているだけで、本当は、どうでもいいとか、面倒くさいが常に思考の先頭をひた走る、そんな人格なのは百も承知している。
それでも絶妙なバランスをとりながら齢を重ねて行っているのだ。