食卓考(その1)

我が家にはずっとダイニングテーブルがありませんでした。食事やものを読み書きするような作業はもっぱら妻が田舎から持ってきてずっと使っていた年代物の炬燵(天板の裏が麻雀卓になるアレ)で。

ただその炬燵も、北鎌倉に住んでいた頃にはコードをつけて電源を入れるとなんだかゴムが熱で溶けたような異臭を放つ状態に。こりゃ危険だということで、その後は単なる座卓として機能していました。

床での生活も良いもの。畳や無垢材のフローリングならば直に素材に触れながら生活することになるので、その素材がもつあたたかみを肌で感じることができます。それに、視線が低くなることによって限られた空間を広く感じることができます。また、客人を招いた際に人数分椅子を用意する必要がなく、あいているスペースに座ってくつろいでもらえるという懐の深さも魅力的。さらに、乳幼児がいる家庭であれば食事の介助もしやすいし、椅子から転落する心配も無いという付加価値アリ。

ただ個人的にはどうも食事がしづらかったのも事実。

和食のような小鉢や茶碗を手に持って食べるスタイルの場合は、座卓でも全然問題ない。というか、昔から日本人はそうやって食事をしてきたわけで、むしろ自然な感じ。しかしこれが洋食系になると途端に食べづらくなるような気がするのです。正座をすればまだそんなに違和感は無いけれど、胡坐をかくと少し低く、体と卓との距離感も気になります。また、足を崩しているとだんだん姿勢も悪くなってしまい、行儀がよろしくない。腰痛保持者なので、これは至極改善したい。だったらいつも和食にすればいいじゃないかというわけにもいかず。

家を建てる際には設計の段階でどのような生活スタイルを希望するか、ということが重要なファクターになってきます。仮に和のテイストを入れた設計であれば、メインとして床での生活を描くこともできます。

座卓に限らず、たとえば掘り炬燵的に床レベルを一段下げたフロアを作り、そこにテーブルを配置することによって床での生活をすることも可能。床暖房なんて入れたならば、お尻がぽかぽかで気持ちが良いでしょう。

でも我が家の場合は今回、2階リビングという選択。なかなか床レベルに変化をつけるというのは難しい。しかもどうにもこうにも和のテイストではありません。アイランドに磁器のシンクを入れたオープンキッチンを採用したため、座卓を使用して床での低い生活をするといった雰囲気にはならない。だから天命を全うした炬燵の代わりに新たにテーブルを用意しなくてはいけません。椅子もね。

続く。

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